制作中のメタバース空間についての紹介
この記事は↓「OpenEsys Advent Calendar 2023」↓の企画に向けて書かれたものです
カラビナと申します。ITF.20生です。この記事が初投稿です。頑張ります。
この記事では、現在私が取り組んでいる途中であるメタバース空間の制作について書きます。似たようなことしようとしてる人にとって少しでもヒントになれば幸いです。
作品の概要
clusterというメタバースSNSでアクセスできるメタバース空間の制作をしています。
メタバース空間って何?
→この記事では「複数人がリアルタイムでアクセスしてお互いにコミュニケーションを取れるバーチャル空間」くらいの意味で使ってます。
作品の内容を一言で言うと、
『モンスターと、「動き」でコミュニケーションをとるインタラクティブアート』
です。
メタバース空間内が現在こんな感じ↓
メタバース空間内にモンスターがいて、プレイヤーは空間内を歩き回りながらそれらとコミュニケーションをとれる。という感じ。(動画あると良かったんすけど今は無いです。すみません。用意できたらしれっと追加します)
実は作品自体はもう公開していまして、未完成ではありますがClusterアカウントがあれば誰でも観られる状態になっています。(20231214追記:現在制作作業に伴って一時的に非公開中です!)
授業の一環で取り組んでいるものですので、こちらで公開している作品を随時アップデートし、まあ締め切りがきた地点で完成ということにしようかと思っています。
締め切りは12月中旬くらいです。やばい
ちなみにclusterというSNSサービスはクリエイター支援が充実しており、メタバース空間を作るための技術的な解説記事が多数公開されています!しかも、簡単な空間ならUnityとか使わなくてもcluster内の機能で作れるらしい。
ので、こういうのに興味ある方、気軽に触ってみてください。
制作背景:なぜそれを作ろうと思ったのか
『モンスターと、「動き」でコミュニケーションをとるインタラクティブアート』というテーマに決定した理由は主に2点あります。
1.人でないものとコミュニケーションを取りたいという気持ち
私はムカデやヤスデなどの多足の虫や、フィクション作品の「クトゥルフ神話」に出てくる邪神、「SCP財団」における異常存在などのキャラクター、言ってしまえば「気持ち悪い」「怖い」感じの存在が好きです。
そういうものってゲームとかの中では大体主人公たちと敵対する立場であることが多いんですが、私はそういう存在と仲良くなりたいなあという気持ちがあり、今回の制作をしています。
なので、モンスターのデザインはあまり可愛くないというか若干気持ち悪い、けどなんだか魅力的くらいのデザインを意識しています。
2.「無意識に行うそわそわした動き」が持つコミュニケーション機能への興味
無意識に行うそわそわした動き(例えば貧乏ゆすりや繰り返し上体を揺らす動きなど)をフィジェッティングと呼ぶそうです。
そういう動きをしている人からは、「イライラしてる」とか、会議中であれば「議論に集中していない」という印象を受けることもあります。
一方で、「嬉しい時もソワソワする」「集中しているからこそ動いてしまう」という方もいるそうです。
見た人がなんらかの感情とか意図を(合ってるかは置いといて)読み取りうるという点で、フィジェッティングはコミュニケーションの一手段として役割を持っていると考えます。ただ、そこのズレに気づく機会って多くないなとも思います。
こういう背景があるので、今回の作品では特に「モンスターの動きから読み取ったもの(感情・意図など)を他のプレイヤーとシェアするための仕組み作り」が肝かなと考えています。
とは言え、こちらのテーマに引っ張られすぎないようにもしたいです。今回の作品では何より自分がやってて楽しい制作になることを重視するつもりなので。
作品の内容:メタバース空間内で、何ができる(ようになる予定)か
一番主軸にしたいのは、以下2点。
1.モンスターとコミュニケーションを取ろうとすることができる
メタバース空間(以下、ワールド)内にモンスターがいて、一定の動きを繰り返しています。
プレイヤーはワールド内で、モンスターの動きを見て、感情とかを想像しながら何かしらのアクションを返していく。それに対するモンスターの反応(動き)を見てまた想像を……と繰り返す。
ざっくりこれがこの作品自体の趣旨です。
現状、モンスターは複数種類作っているんですが、一体に絞って作り込むのもいいかもなと思っています。(タイムリミット的にも厳しいしね!)
2.モンスターが何を意図しているのか/どんな感情なのか、などモンスターの内面について他のプレイヤーと交流できる
先述の話ではフィジェッティングしている主体の意図や感情と読み取られるもののズレという点に主軸を置いてましたが、今回の作品ではモンスターが実際どう感じているかは明らかにしなくてもいいかなと思っています。というのも、そうなると感情を正しく読み取ることが目的のゲームみたいになってしまって、それはちょっと違うのかな〜と。
代わりにというわけではないですが、プレイヤー同士でモンスターの動きから受け取ったものの違いを話し合えるような空間にしたいです。
cluster自体が元々プレイヤー交流のための機能(ボイス・テキストチャット機能や、プレイヤーが特定の動き・エフェクトを出せるエモート機能など)は持ってるので、その辺を使うように誘導する空間デザインとかできたらと思います。
その他、具体的に実装したいな〜っていう機能などをこまごま列挙すると、
・モンスターになれる
プレイヤーがモンスターになって動ける機能。
プレイヤーが操作してるモンスターの種類によって相手のモンスターの反応が変わる……とかあったら面白いかも。
clusterでは任意の3Dオブジェクトをワールド内で乗り物として扱える機能*1が実装できるので、それを利用してモンスターを乗り物にして、動かせるようにしようかな。と、思って現在、モンスターに乗って動かすというところまでは実装できてる。
あとは乗り物としてのモンスターの動き方調整とかですね。
・ワールド内に鏡を置く
ワールド内で自分がモンスターになれるなら、自分を客観的に見れると面白いね。
と思ってこれはもう置いてみました*2。
この鏡オブジェクトはあまり置きすぎるとワールドが重くなるらしいので注意なんですが、楽しいですね。
写り込み方の調整とかできたら面白いよね。すりガラス風とかもできるのかな。試してみます
・モンスターにアイテムを与えられる
これも実装しようとしている途中。例えばリンゴをあげたら嬉しそうに動くとか。
・プレイヤーの動きに反応する
例えばプレイヤーが手を振ったらモンスターが近寄ってくるとか。「動きによるコミュニケーション」がテーマなので、こういうギミックはぜひ実装したいな。
などなど。
制作環境:使ってるソフトとか
メタバース空間の制作自体はUnityを使っています。モンスターのモデリングはiPadアプリの「Forger Classic」*3でやってます。モンスターのアニメーションはblenderを使って作っています。
今後の予定
さっきも書いたんですが12月中旬が締め切りなので、やばいんすよね。これ更新時点であと2週間もない。
16日までにメタバース空間自体はほぼ完成にしたい、その後締め切りまでに卒業制作の要件に当てはまるように追加で色々作らないといけない。(作品解説ポスターとか)
今作ってる作品もとりあえず手を動かそうと思って場当たり的に色々やってみてるだけなんで、作品としては全然まとまってないんすよ。
うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この場を借りて、これからやらないといけないことをざっくりまとめさせてください。
メタバース空間完成に向けて
・作品コンセプトの整理(この記事の執筆がこれを兼ねる)
・↑に沿ってどの機能を実装するか/しないかを整理する
↑これは頑張ってクリアした↑
---10日(この記事公開)以降---
・空間自体の設計を見直す:モンスターとコミュニケーションを取る/それについてプレイヤー同士で意見交流するという趣旨が伝わるように整理する
・実装する機能の整理もう一回挟む
・各種モデリング
・モンスターの動き(アニメーション)を追加
・ギミック追加
・他の人にも来てもらって感想を聞く(これ読んでくれてる方ぜひ来て〜)
---16日以降---
・メタバース空間最終調整
・模型制作(正直間に合わなくない?)
・ポスター制作(これは無理矢理作る)
・ポスター印刷
多いよ〜〜〜〜〜〜〜〜
まとめ
頑張ります。
では。
*1:参考:乗り物系ギミック - Cluster Creators Guide
*2:参考:鏡をワールドに置いてみよう! - Cluster Creators Guide
*3:私は買い切り版の方を使ってるんですが、配布終了しちゃって今はサブスクのみになってるらしい